「……てかあたし、なにしてたんだっけ……?」
「マンガみてえな反応だな」
「こういうのは『オヤクソク』というのではなかったか?」
 エクソシストなジョシコーセーを覗き込みながら、二人で勝手なことを言う。
「あ、そうだよ! オペ室に閉じ込められて、その中がちょー血だらけなバ○オハザード的な感じで……」
 なんか色々思い出したようだ。この辺もオヤクソク。
「あ……マジありえんてぃー……」
「寝るなっ!」
 再び気絶しそうになったあかりの頬を、軽くぺちっと叩く。
「いった! 殴ったね?! マジでぶった! パパにもぶたれたことないのにー!」
「ニュータ○プな台詞吐いてんじゃねえ! 俺たちハメられたんだよ!」
「は? てかマジわけわからんてぃー」
「お前に説明してると長くなるからな。手短に言うぞ。とりあえず、周りは敵だらけ。ゴーストじゃねえ。銃持ってる。倒すかやり過ごすかして外へ出る。良いな?」
「うい、わかった」
「良いのか? こんな説明で……」
「良いんだよ」
「あかりちゃんにお任せ!」
 とか言いながら、変なポーズを決める。
「よくこんな説明不足の状態で、そこまで自信が持てるものだな……」
「なにを任せるんだ? てか、そこまで丸投げにする気はねえよ」
「マジ失礼感マックスぢゃね?!」
「よし。とりあえず一階まで一気に降りるぞ」
「了解」
「ツッコミ完全スルー?!」
 ライトはつけずに、階段をすばやく降りる。なるべく音を立てずに。真っ暗でほとんど視界が効かないので、さっきパクってきたナイトビジョンを使って俺が先導する。
「足元気をつけろよ」
「てか、なんも見えねえから、気をつけようがないんですけどー……」
「危なそうなとこは、俺が先に教える」
「うい、わかった。
 うっわ、サイアクー! なんか袖とか裾とか、ちょー汚れまくってんだけどー! マジどーしてくれんの、あたしの大事な○ナリーコス!」
「うっせえな。見つかんだろが。静かにしろ。てかなんで足元見えねえのに、コスだけそんなはっきり見えんだよ」
「なんなのこれ。どこにクレームつけたら良いわけ? てかなんかお尻に手形っぽいのついてね? あんたらあたしが寝てる間に、なんかレイプ的なことしたんぢゃね?」
「するか!」