今回俺達はここに用がある。そんなわけで、今まで『普通のカジノで』軍資金を貯めてたわけだ。ホテル側にはコネを使って話を通してある。ディルクのと合わせて『とりあえず』ゲームやれるだけの金も持ってきたし、これでようやく中へ入れる。
壁の前に立ってた黒服に話をする。ちゃんと連絡は行ってたらしく、すんなり中へ通してくれた。
中はさすがに豪華な造りだ。ゲーム台やイスも、ノーマルエリアとはひと味もふた味も違う。見るからに金がかかってる。テーブルは、バカラとブラックジャックとポーカーがあった。
ポーカーのテーブルに、初老の男が1組。向かい合って勝負をしている。同じテーブルに、カードを配る役のディーラー。バカラとブラックジャックには誰もいない。俺はポーカーのイスに座り、俺の後ろにディルクが立つ。
「混ぜてもらって良いかな?」
「おお、構わんよ。一進一退で、勝負がこう着しておったところだ」
銀髪に口ひげをたくわえたじいさんが答えた。
「ずいぶんとお若いな。その年でこの部屋へ入れるとは、たいしたもんだ」
「そりゃどうも」
金髪をオールバックにしたじいさんの言葉に、俺は愛想笑いでそう答える。
「お飲み物などいかがですか?」
部屋に何人かいたバーテンのうちの一人が、俺に話しかけてくる。
「ん。じゃあモヒート。あと、ダヴィドフのグランクリュNo.1を」
「かしこまりました。モヒートはライムとレモンがございますが」
「ライムで」
「承知いたしました。お連れ様はなににいたしましょう?」
「僕はドライ・マティーニを」
「かしこまりました。すぐにお持ちいたします」
バトラーは部屋を出て行った。『少々お待ち下さい』じゃなく『すぐにお持ちいたします』と答えるのは、スタッフの教育が行き届いてる証拠だ。さすが一流ホテルのカジノ。
「ドライ・マティーニって、お前。ジェームズ・ボンド気取りか?」
ディルクに向けてにやりと笑ってやる。
「カクテルは、女子供が飲むものなのだがな。こんな場所でビールというのも野暮だろう?」
「そりゃ、ドイツ人の偏見だ。俺は年中モヒートだぜ」
「それこそマイアミ・バイス気取りか?」
この相棒は出会った頃より、ジョークがうまくなった。
壁の前に立ってた黒服に話をする。ちゃんと連絡は行ってたらしく、すんなり中へ通してくれた。
中はさすがに豪華な造りだ。ゲーム台やイスも、ノーマルエリアとはひと味もふた味も違う。見るからに金がかかってる。テーブルは、バカラとブラックジャックとポーカーがあった。
ポーカーのテーブルに、初老の男が1組。向かい合って勝負をしている。同じテーブルに、カードを配る役のディーラー。バカラとブラックジャックには誰もいない。俺はポーカーのイスに座り、俺の後ろにディルクが立つ。
「混ぜてもらって良いかな?」
「おお、構わんよ。一進一退で、勝負がこう着しておったところだ」
銀髪に口ひげをたくわえたじいさんが答えた。
「ずいぶんとお若いな。その年でこの部屋へ入れるとは、たいしたもんだ」
「そりゃどうも」
金髪をオールバックにしたじいさんの言葉に、俺は愛想笑いでそう答える。
「お飲み物などいかがですか?」
部屋に何人かいたバーテンのうちの一人が、俺に話しかけてくる。
「ん。じゃあモヒート。あと、ダヴィドフのグランクリュNo.1を」
「かしこまりました。モヒートはライムとレモンがございますが」
「ライムで」
「承知いたしました。お連れ様はなににいたしましょう?」
「僕はドライ・マティーニを」
「かしこまりました。すぐにお持ちいたします」
バトラーは部屋を出て行った。『少々お待ち下さい』じゃなく『すぐにお持ちいたします』と答えるのは、スタッフの教育が行き届いてる証拠だ。さすが一流ホテルのカジノ。
「ドライ・マティーニって、お前。ジェームズ・ボンド気取りか?」
ディルクに向けてにやりと笑ってやる。
「カクテルは、女子供が飲むものなのだがな。こんな場所でビールというのも野暮だろう?」
「そりゃ、ドイツ人の偏見だ。俺は年中モヒートだぜ」
「それこそマイアミ・バイス気取りか?」
この相棒は出会った頃より、ジョークがうまくなった。


