「ホナイキマヒョカ」
「オーキニ」
ディルクと二人で台を離れ、カジノの一番奥へと歩みを進める。少し離れてカジノゾーンを迂回するように、あかりがついてきているのを視界の端にとらえた。
「ジル。合言葉なのだが……」
歩きながら話しかけてきた。
「んあ? どうかしたか?」
「なんと言うか……もう少しなんとかならなかったのか?」
どうやら合言葉が不満らしい。
「なんか問題あったか?」
「いや、問題はないのだが……」
「なら良いだろ」
「しかし、もう少し自然な言葉にして欲しかった」
「ジャパンじゃあれが自然だぞ?」
昔見たジャパニーズドラマで、あんな挨拶をしていた。
「なぜ日本語なのだ?」
「そりゃ、他のやつらに知られる可能性が低いからだ。万一ジャパニーズを使えるやつがいたとしても、さっきの意味なら単なる挨拶としかとれねえ」
「むう……」
まだ納得いってねえようだ。
「ま、ちっちぇーことは気にすんな。昔のジャパニーズコメディアンにも、そう言ってるやつがいたぞ」
「そうなのか?」
「そうなのだ。名前は……えーっと、忘れちまったが、なんかアルミホイルみてえな服着てたやつだ。知らねえか?」
「いや、知らない。僕は日本のテレビはほとんど見ない」
「そっか。一度見た方が良いぞ。あの国は色々俺達の常識が通じねえ。今度YouTubeでも見てみろ」
「ふむ、そうしよう。異国の文化を学ぶのも、この仕事を続けていく上では重要だろうからな」
「そうだな」
なんてしゃべってるうちに、目的の場所へ着いた。
一見するとただの壁。だがこの奥には『超ハイリミットな』カジノが隠れているのだ。
特別なお客様だけが入れるエリア。映画なんかで見たことあるやつも多いだろう。マジックミラーの向こうで、いかにも金持ってそうなワルがガン首並べてポーカーやバカラをやってる光景。つまりは、そういうとこだ。
ま、現実には、別にワルのたまり場でもなんでもねえんだけどな。平たく言えば、超がつくほどの大金持ちしか入れてもらえねえ場所だ。
「オーキニ」
ディルクと二人で台を離れ、カジノの一番奥へと歩みを進める。少し離れてカジノゾーンを迂回するように、あかりがついてきているのを視界の端にとらえた。
「ジル。合言葉なのだが……」
歩きながら話しかけてきた。
「んあ? どうかしたか?」
「なんと言うか……もう少しなんとかならなかったのか?」
どうやら合言葉が不満らしい。
「なんか問題あったか?」
「いや、問題はないのだが……」
「なら良いだろ」
「しかし、もう少し自然な言葉にして欲しかった」
「ジャパンじゃあれが自然だぞ?」
昔見たジャパニーズドラマで、あんな挨拶をしていた。
「なぜ日本語なのだ?」
「そりゃ、他のやつらに知られる可能性が低いからだ。万一ジャパニーズを使えるやつがいたとしても、さっきの意味なら単なる挨拶としかとれねえ」
「むう……」
まだ納得いってねえようだ。
「ま、ちっちぇーことは気にすんな。昔のジャパニーズコメディアンにも、そう言ってるやつがいたぞ」
「そうなのか?」
「そうなのだ。名前は……えーっと、忘れちまったが、なんかアルミホイルみてえな服着てたやつだ。知らねえか?」
「いや、知らない。僕は日本のテレビはほとんど見ない」
「そっか。一度見た方が良いぞ。あの国は色々俺達の常識が通じねえ。今度YouTubeでも見てみろ」
「ふむ、そうしよう。異国の文化を学ぶのも、この仕事を続けていく上では重要だろうからな」
「そうだな」
なんてしゃべってるうちに、目的の場所へ着いた。
一見するとただの壁。だがこの奥には『超ハイリミットな』カジノが隠れているのだ。
特別なお客様だけが入れるエリア。映画なんかで見たことあるやつも多いだろう。マジックミラーの向こうで、いかにも金持ってそうなワルがガン首並べてポーカーやバカラをやってる光景。つまりは、そういうとこだ。
ま、現実には、別にワルのたまり場でもなんでもねえんだけどな。平たく言えば、超がつくほどの大金持ちしか入れてもらえねえ場所だ。


