急いで車に乗り込む ドアが閉まると同時ぐらいに “お疲れ!” 大人の男の低い声が ドアの閉まる ほんの隙間から聞こえた 私はペコッとお辞儀をして エンジンを掛ける ギアをバックに入れ 後ろに僅かだけ下がり 今度はドライブにギアを入れ発進させる バックミラーには 刺青男が 帰りの支度をしている 刺青男が…? それとも 刺青が…? 何にしても その存在全部が私の頭から離れなかった もう…この施設には来れないなっ… そう思う反面 もっと 刺青男の事を知りたいと思った