これが俺の体験



お兄ちゃんと楽しく話をしていると、お兄ちゃんがボクに手を伸ばした。


右手に刺さる、痛々しい針。


後から知ったけど点滴だった。


そして……皮膚がほとんど肉を無くし、痩せ細っていた。


「お兄ちゃん……辛い?」


「大丈夫だよ……僕は辛くない」


「どうして?」


「みんながいるから、良もいるし」


──みんながいるから……


ボクは……改めてお兄ちゃんの辛さを知った。


感覚的に分かってしまったんだ。


お兄ちゃんが……心で泣いていると。


「お前も頑張ってね」


「大丈夫だよ!ボクはね!」


ボクは……嘘つきだ。


本当は悪いことをしてきたのに……。