雨に恋した華

「あのっ……!」


「え?」


あたしの横を通り過ぎようとしていた彼は、不思議そうにあたしを見た。


「あの、えっと……」


勢いで声を掛けたものの、次に続く言葉を考えていなかったから吃(ドモ)ってしまう。


「……どうかした?」


彼は、不思議そうな表情のまま訊いた。


あたしは、ドキドキと高鳴る心臓を隠すように胸元を抑えながら、ゆっくりと口を開いた。


「あのっ……!も……もしよかったら、名前を教えて下さいっ……!」