雨に恋した華

千晶は、彼が席を立ったらすぐにその後を追うように言った。


「でも……席、立つかな?」


「長時間いたら、さすがに一回くらいはトイレに行くでしょ?もしトイレに行かなくても、彼が帰る時にあたし達もここを出ればイイじゃん」


「そっか……」


納得したあたしは、頷きながら呟いた。


千晶の話を聞きながら、さっきまでは落ち着きを取り戻していたあたしの心が、また騒ぎ始めた。


さっきの緊張感とようやく忘れ掛けていた不安が、あたしの中に蘇って来た。