雨に恋した華

「とりあえず、何か注文しよ?話はそれからね」


千晶はそう言った後、あたしの緊張をそっと解すかのように優しく微笑んだ。


「紫、何にする?」


「じゃあ……オムライスと、アイスティー」


笑顔で頷いた千晶は、店員を呼んで二人分の注文をしてくれた。


土砂降りの雨のせいなのか、店内はいつもよりも人が少ない。


自分の声が店内に響いたり、彼の耳に届いてしまうかもしれないと思うと、何だか気が引ける。


そのせいで、あたしは何も話せなかった。