雨に恋した華

カフェの前で傘を畳んで、店のドアに手を掛けた。


その瞬間…


「紫!」


後ろから、聞き慣れた声に呼び止められた。


「千晶……」


振り返ったあたしは、笑顔の千晶を見ながら呟くように言った。


「どうしたの?せっかく王子様に会えるのに、そんな浮かない顔して……」


「だって、緊張して……。てか、恥ずかしいから『王子様』って言うのはやめてよ……」


「別にイイじゃない♪」


千晶は笑顔で言った後、ドアを開けた。