「あたしも、ずっと虹ちゃんだけだよ……」


頷いた虹ちゃんの笑顔が眩しくて涙が溢れ出してしまいそうになったけど、彼がそれを見透かすようにあたしの唇に優しいキスを落とした。


紫陽花は、ずっと“雨に恋した華”だと思っていた。


だけど、紫陽花が本当に待っていたのは雨じゃなくて、雨上がりの空に架かる虹だったのかもしれない。


「ねぇ、虹ちゃん。ずっと一緒にいようね」


虹ちゃんに笑顔を向けたあたしは、彼の手に自分の手をそっと絡めて青空を彩る虹を見つめた――…。