「それでも、あたしは好きだよ♪」


迷わずにそう言うと、虹ちゃんがフッと笑った。


「紫のお陰で、俺も雨が好きになれそうだよ」


「え?」


「雨の日に紫との思い出が出来たからね」


虹ちゃんは悪戯な笑みを浮かべると、あたしの左手の小指にピンキーリングを着けた。


「これ……」


「裏に、“Keep Only One Love”って彫ってある。『俺はずっと紫だけを好きでいる』って言う証だよ」


虹ちゃんは話しながら、優しく微笑んだ。