虹ちゃんの優しい体温があたしの体を通って、そっと心に届く。


全身をすっぽりと包んでくれた彼は、あたしの髪を愛おしむように撫でてゆっくりと体を離した。


その瞬間、涙を浮かべながら優しく微笑む虹ちゃんが、あたしを見つめていた。


「虹ちゃん……」


この人を守りたい……


そんな思いに押されるように、あたしは自分よりも大きな虹ちゃんの体をギュッと抱き締めた。


あたし達は離れていた時間を埋めるかのように、お互いに離れる事をしなかった――…。