雨に恋した華

「紫?」


陽が沈み始めた頃、部屋の外からあたしを呼ぶママの声で目を覚ました。


「何……?」


「お客様だよ。入って貰ってもイイ?」


お客様……?


一瞬、虹ちゃんの顔が浮かんだけど、彼が来てくれるハズが無い。


「ごめん……。今は誰にも会いたくないから、寝てるって言ってくれる?」


あたしが淡い期待を掻き消しながら、そう言った直後…


「何言ってんのよ!起きてるじゃん!」


呆れたような声とともに、部屋のドアが開いた。