雨に恋した華

「紫……?」


ママは、顔を上げないあたしの様子がおかしい事に気付いたみたい。


「顔、上げて」


そう言った後、あたしの頭に手を乗せた。


泣き腫らした顔を見せたくなくて、しばらく躊躇していたけど…


部屋から出て行く様子の無いママに負けて、仕方なく顔を上げた。


その直後…


「紫……。泣いてたの?」


あたしの顔を見て目を見開いたママは、すぐに眉を下げて顔に心配の色を浮かべた。


あたしは、無言のまま小さく頷いた。