雨に恋した華

あたしの声にピクッと反応した虹ちゃんは、そのまま立ち止まった。


彼が振り返るまでの微妙な時間が、静かに何かを物語っているみたいで…


あたしの不安を、余計に大きくさせる。


不安と緊張に包まれながら、虹ちゃんの反応を待っていると…


「あれ、紫?俺の事、追い掛けて来たのか?」


振り返った彼が、あっけらかんとした表情で訊いた。


その声があまりにも素っ頓狂(スットンキョウ)だったから、さっきまでの出来事が嘘だったかのようにも思えてしまった。