雨に恋した華

虹ちゃんとの海での思い出を、寂しさの涙なんかで締め括(クク)りたくない。


あたしは、涙が溢れてしまう前に必死に笑顔を繕った。


「虹ちゃん!帰ろっ!!」


そう言いながら、虹ちゃんの手を引っ張る。


その直後…


「紫」


優しい声であたしを呼んだ虹ちゃんが、そのままあたしの体をゆっくりと引き寄せた。


「また来年も、ここに一緒に来ような」


そして、彼はあたしを抱き締めている腕にそっと力を込めて、耳元で優しく囁いた。