「別にいらない。プリントなら、千晶に見せて貰えば?」


「はぁ!?」


健一は眉をしかめたけど、それ以上は何も言わずに彼から視線を逸らして、携帯を開いた。


「健一、ミルクティーね」


「わかったよ……」


健一は渋々答えた後、千晶からプリントを受け取っていた。


あたしは、健一がプリントを写し始めた事を横目で確認してから、彼に気付かれないように千晶を見た。


あたしの視線に気付いた彼女は、はにかみながらも嬉しそうに微笑んだ。