雨に恋した華

しばらくすると、ドアが開く音と同時に虹希さんが出て来た。


「はい。これで髪拭いて」


彼はそう言いながら、スポーツブランドのロゴが入ったタオルをあたしに差し出した。


「え……?」


状況が把握出来なくて、目を見開いてしまう。


「俺が、紫ちゃんの事を無視したとでも思った?」


迷わずコクリと頷くと、虹希さんが眉を寄せてフッと笑った。


「そんな事しないよ……」


彼は困ったように微笑んだまま、あたしの頭にタオルを掛けた。