雨に恋した華

「二階の一番手前の部屋なんだ」


虹希さんはそう説明して車から降りると、すぐに助手席のドアを開けてくれた。


「降りて」


「あっ、はい……」


戸惑ったままのあたしは、虹希さんに言われるがまま車から降りるしか無かった。


白い外壁のアパートには、階段が二ヶ所ある。


虹希さんに促されて、彼の後を追って手前の階段を上がった。


「狭いけど、どうぞ」


虹希さんは玄関の鍵を開けた後、笑顔で言いながら白いドアを開けて部屋の中に促した。