雨に恋した華

緊張で、頭の中が真っ白になった。


だって、てっきり図書館やファミレスで勉強するんだと思い込んでいたから…。


予想外の行き先に、忘れ掛けていた緊張が一気にピークに達してしまった。


『どうしよう』とか考える余裕なんて、全く無かった。


ただ、緊張し過ぎて固まった体のまま、助手席に座っていただけ。


「着いたよ」


虹希さんにそう言われた時、やっと我に返って顔を上げた。


その瞬間、あたしの視界に二階建てのアパートが飛び込んで来た。