雨に恋した華

放課後。


千晶に先に帰る事を告げたあたしは、急いで教室を飛び出した。


蒸し暑い廊下も気にならない程、心が弾んでいる。


ローファーに履き替えながら、自然と顔が綻(ホコロ)んでいくのを感じた。


「おい!」


「えっ?」


不意に声を掛けられて、反射的に振り返ると…


少しだけ気怠そうな表情をした健一が、あたしの視界に飛び込んで来た。


「何でニヤけてるんだよ?」


あたしの顔を見た彼が、眉間にシワを寄せながら訊いた。