雨に恋した華

あたし達がテーブルに戻る頃、彼はまた本を読んでいた。


千晶には、彼とのやり取りをまだ話していない。


だけど、店内には彼がいるから、ここで話すのは気が引けて…


あたしは、正面にいる千晶を見ながら口を開いた。


「ねぇ、ここ出ない?」


「え……?どうして?」


「話したい事があるんだけど、ここじゃちょっと……」


そう言ったあたしを見て、千晶は何かを感じ取ったみたい。


彼女は笑顔で頷いてから、バッグを持って立ち上がった。