「・・シア? もう
近くまで帰ってるから。」


留守電? おかしいな、
お風呂でも入ってるのかな?

幾らなんでもまだ
帰ってないって事はない。


「ただいまー、おっと、
ラフィー♪いいコだった?
シア・ママはどこに居る?」


戻って着てドアを開けると
走ってきたラフィを抱っこして
二階へ上がってみた。

トイレにもいない。
帰って来た形跡があるのに。

1人で買い物なんて
行ってないよな? 懲りた筈だ。

携帯持ってないから不便・・。
ちょっと待ってみるか?

テレビをつけようとして
なぜかDVDのディスク入れが
飛び出したままになっていた。


「?」


それを閉めて、机の上にも
何のメッセージも
残っていない事を確認。

暫くするとラフィがグルグルと
回りだした、ウ○チの合図だ。

慌ててドライルームのトイレに
連れてってやる。

どうやら、彼にちゃんとご飯は
やっていったらしいな。

カウンターの中に入り、
冷蔵庫から水を出した時、
シンクにいやに
水がハネてるのを見つけた。

これを・・タオルで拭かずに
放って置く彼女ではない・・。


「ラフィ・・、
ちょっと出かけて来るよ。
直ぐ戻ってくるからね・・。」


急ぎで出たのかもしれないけど
何だか妙に胸騒ぎがした。

昨日の今日だ、
何かあったのかもしれない。
そう思ったら
不安で堪らなくなった。


(もう屋上は閉まってる)


コンシェルジュがちゃんと
帰りに管理をしていくから。

そしたら、近くのコンビニ?
誰にも声を掛けられない様に
猛ダッシュで通りを駆け抜けた。


( ・・・・いない )


俺は走りながら携帯を掛けた、
自宅の那須・・サクヤ、柘植。
だが、誰の所に行っていない。


『ちょっと待って・・、
汐美ちゃんトコかもよ?』