結局その日もマリーは森へ行くことにした。



遊ぶといっても友達がいないマリーは、本を読むか森へ行くかしかなかったからだ。




森は家からすぐのところにある。


いつも行き慣れた森だったため、マリーは平気だったが、町の人間からは神域として恐れられる森だった。

実際、森に入ると方向感覚を失ってしまい、出れなくなるものもいた。




そんなことを知らないマリーは、鼻歌混じりに森へと踏み込んだが、足を踏み入れたとたん、いつもは優しい感じがする森で、常にはない嫌な感覚を覚えた。


だがそれも一瞬のことだったため、マリーは気のせいだと思うことにした。