荊姫~第二章~

「どうして……どうして……」

エイラが呟くたびに周りの炎が大きくなった

その炎はユキと裂の周りを囲うように迫ってきていた

「ヤバイ……はやく逃げねぇと…」

裂は走って逃げよう思い

ユキの側まで行こうとした

そのとき

グワアアアアッ

「っ!?」

裂が先ほど蹴り飛ばした狼が

ユキの背後から飛びかかろうとした

「ユキっ!!」

「っ!!」

ユキは襲いくる痛みを覚悟してとっさに目をつぶった