荊姫~第二章~

「どこかな~、あの子どこかな~?」

この重々しい空気の中で

はしゃいだ声が聞こえてきた

「「……?」」

ユキと裂がそちらへ振り向くと

そこにはフード付きの黒いコートを着た人物が

キョロキョロしながらこちらへ歩いてきた

フードで顔はよくわからないが

身長からして、女のようだった

「ん~………ん?」

その声の主は

ユキたちを見つけると

口元に笑みを浮かべ

「見ぃつけたっ!!」

と言って走ってきた