「ら、來人・・・///くすぐったい・・・」


すると來人は顔を上げ、私の額に自分の額をくっ付けた。


まっすぐ捕らえられた瞳。




「なぁ柚姫、お前・・考えすぎなんだよ」


「・來人・・・///」


「お前さ、自分が何も出来ない人だって思ってるわけ??」


「う、うん・・・。」


「バーカ。お前、俺の事幸せにしてんじゃん」


「え・・・??」


「俺を幸せに出来んのって、お前しかいねーから」


「來人・・・・。」



くっ付いたままの額が段々熱くなる。



「確かにさ、掃除とか洗濯、料理まで出来る人って最高かもしんねーけど、お前はお前だろ??それに俺、前に言わなかったっけ??」


「・・・前に・・??」



私はすっかり忘れていたあの言葉を・・・。



「『俺は、そのままの柚姫が好き』って・・・」


「あ・・・」




そう、それは・・・本屋に立ち寄った帰り道、來人が言ってくれた言葉。


今やっと理解した。



涙が流れたと同時に、來人の優しい唇が私の涙を拭った。


「泣くなって・・ゆっくり成長していけばいいんじゃないか??無理はもうすんなよ」


私は無言で首を縦に振った。


そして、私達は唇を重ねた。