そして、私の体をゆっくり抱きしめてくれた。
「來人・・・」
來人は私の頭を撫でながら言った。
「お前が何考えて、何悩んでんのか知らないけど・・俺、「無理はすんな」って言っただろ??なんでそんな心配かけんだよ」
「ごめんなさい・・・。」
「どうせ柚姫の事だから、沙耶さんに対抗心でも持ったか??」
「対抗心だなんて・・・そんな事ない。ただ・・私は皆に喜んで欲しかっただけ・・。來人や池原家に感謝したかっただけ・・。それに・・・」
「それに・・??」
「來人が・・何も出来ないお嫁さんは問題有りって言ってたから・・・。私、料理も掃除も洗濯も、家事全般ダメだから、來人にガッカリさせちゃうと思って・・・。」
「それでいきなり弁当だのご飯だのって言ってたのか??」
私はコクっと頷いた。
來人はまだ私を抱きしめたまま、私の首筋に顔を埋めた。



