水に濡れた姿も、なまめかしいほどの。

 
豪雨の落ちてくる天空へ顔を向けた。

顔を雨水にさらしてみたかっただけなのに、痛すぎた。

防御で目を閉じる。

けど、何かが見えた気がした。

白い何か。

刺すような雨水と戦いながら、目をこじ開ける。

雨の向こうに、白いもの。

人?  

また?

今度は空から?
 
今日は何て日なんだろうと思った。
 
無意識に受け止める体勢に入った。

白い塊

人。
 
いや、白いのは、人じゃなくて、その背後に生やしている羽根、だ。

白く大きな

翼?
 
目を疑いながら、伸ばした手に、腕の中に、白い塊を受け止めた。

半端じゃない衝撃。

身体に走る激痛。

あんな速度で落ちて来るものは、受け止めようとしてはいけなかったんじゃないだろうか。

痛みのせいで、意識を失った。