さやはブーツのベルトに絡め取られて、剣の中身だけがスラリと出てきた。

 って、オレはあいつをやっつけるのか。

 そう思ったときには、あいつはこいつになっていた。

 一メートルほどの距離を置いて、こいつは立ち止まった。

 立ち上がる。

 ねずみがしたら可愛い仕草なのだけれど

 かっ、可愛くねえ。

 その巨体が余計に大きく見えて、オレは思わず後ずさった。

「どういうつもりだ?オレを食う気か?」

 相手は無言で鼻をひくつかせていた。

 そして、四足になると、オレに突進してきた。

 殺られる。