どうもオレはルナとジュランの両方に傾倒してしまっているらしい。

 この、危険な旅を彼女達のために始めようと思えるほど。

 ここまで来てしまっていることだけでも、充分それは証明されていた。

 しかし、今までそれはルナのためだと思っていた。

 けれど、オレは、あの綺麗な悪魔のジュランにも、しっかり心を奪われているようだと気付かされた。

「とりあえず、コレをあげるわ。」

 シュロスは濃い赤の小さな米粒ほどの塊を三つ、オレの手のひらに乗せてくれた。

 それと、カード。

 ルナにもらったものとそっくりだった。

ただ、描かれているドアが違う。

シュロスが今くれたものは、ここの扉そっくりの絵が描かれてある。