やばいな。
雨が降る一瞬前に感じる、あのニオイ。
降る。
思った瞬間、パラパラと音を立てて、雨が落ちてきた。
パラパラは、瞬く間に、豪雨に変わる。
ゲリラ豪雨だ。
身をどこかに隠す暇もなかった。
おかげで、一瞬で全身びしょ濡れ。
これだけ思いっきり濡れてしまうと、今さら、雨宿りをする気にもならなかった。
雨が、痛い。
けれど、そのまま、のろのろと歩きだした。
校舎から門の前までの、生徒の姿は消えていた。
みんな大急ぎでどこかへ身を隠したんだ。
こんな雨に打たれたくなんかないだろうから。
でも、オレはずぶ濡れが心地いい。
したたかに、雨に打ち付けられている、この姿が滑稽で、哀れで、今の自分にはお似合いで。
いっそこのまま、洗い流されてくれないかな。
少しはマシな見た目まで、とろかしてくれないかな。
ああ、キレイに生まれたかったな。