訊くと、鈴菜ちゃんは、かわいい声でうなった。
声優さんにしたいような可愛さだ。
そしてゆっくりと頭が動く。
しなやかで柔らかな髪がその動きにあわせてオレの腕の中ですべる。
その感触に、急に心臓がバクバクと音を立てて波打ち始めた。
自分の腕の中に、女の子がいるのだ。
しかも、憧れの鈴菜ちゃん。
急に意識してしまったせいで、緊張で手が震え出した。
そのオレを、鈴菜ちゃんが顔を上げて見た。
可愛くキレイに通った鼻筋。
小さく整った唇。
そして何より、大きく潤んだ、見るものを虜にしてしまいそうな印象的な目。
その目が、オレを見た。
そばで見るとうるうると潤んでいるのがよくわかる。
黒目がちなその目はオレを写すと、その可愛い唇から、さっきよりも大きな悲
鳴を漏らした。
「嫌ああああ」