「内臓破裂。

出血多量。

とってもキケンな状態。

輸血してもはしから漏れてゆくんだって。

心拍微弱。

もちろん意識なし」

「ここにいるオレは、何なんだ?」

ルナは唇を曲げて笑う。

「た・ま・し・い。」

血色のよい唇が一つ一つ言葉を形取る。

たっ、魂!?

「まだ死んではいないんだよ。あとはあなたの気持ち次第。

死んでもよし、またあの身体に帰るのもよしってね?」

ルナは艶やかで表情をよく映す瞳で、オレを面白そうに見ている。

「死んでも、よし?」

オレは考えた。

「魂が存在するってことは、来世ってモノが存在するわけ?」

「もちろん~ただし、あなたの記憶がなくなるほど長い時間かけて魂が洗われて。それからだよ、

生まれ変われるのは。

たまに、前の記憶があるまま生まれて行ってしまったりする人もいるみたいだけど、そういうのは本当に稀なんだよ」