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「奏くんッ!」




「柚姫!?」





「珍しいな、柚姫が早いなんて。」





いつも奏くんがたってる場所にあたしがたち、

あたしから手を握って歩き出す。


奏くんはちょっと不思議そうな顔をしたけどすぐに笑って、あたしの手を握り返してくれた。




「なんかあったの?」



「別に♪」




そういってまた意地悪そうに笑う。





「奏くん!そういえばね……。」






奏くん…。







それまでうきうきしていた気分が急激に沈んでいくのが分かった。



―また、奏くんの視線はあたしにない。





もちろん瞳の先には香織さん。


愛しそうな視線は変わらない。





「奏くん…」




「………。」





「奏くん!!!!!」



「え、ごめん柚姫、何?」