恋口の切りかた

「それで? もう一つの報告については?」

俺は気合いを入れ直して──


しかしこの直後、思いも寄らなかったその報告内容に、再び愕然とするハメになる。


「人形斎についての消息がつかめた」

「本当か!?」

身を乗り出す俺に、宗助はあくまで淡々と、

「山中に移り住んでより間もなく、消息がわからなくなっていた人形斎だが──長崎に移り住んでいたことがわかった」

「長崎ィ!?」

俺は思わず耳を疑った。

「海の向こうじゃねーか……宗助、お前そこまで調べに行ってたのか?」

「いくつかツテを使ってな。随分と時間がかかったが、先刻報せが届いた」


そりゃまあ、時間もかかるわな。


「それで?」

「それで、死んでいた」

「──はァっ?」


俺は再び──今度こそ耳を疑った。


「人形斎は長崎の出島で何やら異国の技術を学んでいたらしいが──二年前に死んでいる」


宗助はそう告げた。


「奇病だかカラクリを作っている最中の事故だか判然としないが、遺体もとうに現地の寺に葬られて供養されていた。
住職の裏付けも取ったから間違いない」

「待てよ、だってそれじゃ……」


俺は混乱する頭で、ここ数ヶ月の出来事を思い描いた。