恋口の切りかた

愕然とする。



「父君が失脚し、家が没落してから彼女は市井に身を置いたらしい」



だったら──

だとしたら──



「雨宮様と伊羽様とは対立関係にあったと聞く。円士郎様は伊羽様と懇意にしている身。雨宮家にとっては政敵に当たる。知っておいたほうがいいかと思ってな」



それだけじゃねえんだよ!

俺は奥歯を噛む。


あの夜の真相を知らない宗助にしてみれば、単なる政敵で済むのかもしれないが──



親父殿と青文が共謀して、雨宮を失脚させたのだ。

結城家と伊羽家が結託して、雨宮家を陥れた。



つまり鳥英──亜鳥にとっては、俺たち結城家の人間は、

父親を罠にハメて死に追いやり、名家を没落させた──





憎むべき仇だ。