恋口の切りかた

暗闇で物音がして、

手元までは見えなかったけれど、神崎の頭の蝋燭のおかげで二人の姿はチラチラ浮かび上がっていた。



「その狐には絶対に素手で触れるな!」

隼人と神崎に向かって鬼之介が叫んで、



「これは──」

二人の動きが止まった。
そこにあるものが見えてくる。

「人形か──?」


打ち壊され、夜道に転がっていたのは

歯車や糸をあちこちから覗かせた、狐の仕掛け人形だった。