「いやあああ──っ!」
留玖が、今夜何度目かになる盛大な悲鳴を上げて俺に飛びついた。
「見回りだ。貴様ら、怪しい格好で何をしている……って、うお!? あんた与力の神崎帯刀か?」
ん? この声は──
「貴様、秋山隼人……」
横で神崎がうろたえた声を出して、俺は振り返ってそこに立った人物を見ようとした──のだが、
「おーい。留玖、留玖、前が見えねえ」
俺の顔をすっぽりと袖で覆って、俺の上半身に抱きついている少女に、俺は言った。
「ありゃ? おつるぎ様に、円士郎様? いったい、何を……?」
俺と留玖の様子を見て首を捻っているかのような気配を漂わせて、
「セミ……の真似ですかね?」
そんな質問をしてきた隼人に、
「そうです! セミですっ」
俺にしがみついたまま、留玖は凄く恥ずかしそうにそう答えを返した。
どうでもいいから袖を退けてくれ、前が見えねえ。
真っ暗な視界の俺は胸の中で留玖に繰り返した。
留玖が、今夜何度目かになる盛大な悲鳴を上げて俺に飛びついた。
「見回りだ。貴様ら、怪しい格好で何をしている……って、うお!? あんた与力の神崎帯刀か?」
ん? この声は──
「貴様、秋山隼人……」
横で神崎がうろたえた声を出して、俺は振り返ってそこに立った人物を見ようとした──のだが、
「おーい。留玖、留玖、前が見えねえ」
俺の顔をすっぽりと袖で覆って、俺の上半身に抱きついている少女に、俺は言った。
「ありゃ? おつるぎ様に、円士郎様? いったい、何を……?」
俺と留玖の様子を見て首を捻っているかのような気配を漂わせて、
「セミ……の真似ですかね?」
そんな質問をしてきた隼人に、
「そうです! セミですっ」
俺にしがみついたまま、留玖は凄く恥ずかしそうにそう答えを返した。
どうでもいいから袖を退けてくれ、前が見えねえ。
真っ暗な視界の俺は胸の中で留玖に繰り返した。



