数日後、俺は留玖と再び鬼之介の長屋を訪れた。


鬼之介はいつにも増して青白い顔と真っ黒の隈に覆われた目、
ぼさぼさになって爆発しているクセ毛で俺たちを出迎えた。

あれからほとんど寝ずに、天照と月読の方法を考え続けていたらしい。

「それで、何かわかったのか?」

俺が尋ねると、不機嫌そうな沈黙だけが返ってきた。

どうやらあまり進展はないようだ。


「吐いたものが青白く光っていたのか?」

虹庵の所で聞いた月読で死んだ者の奇妙な症状を告げると、鬼之介は頭を抱えた。

「何だそれは!? 火傷でそんな症状を引き起こす方法など、ボクがこれまで読んだ書物からは……」

鬼之介は何か思いついたのか、ハッとしたように言葉を切った。

それから、
無造作に置かれていた『天照』『月読』と書いた紙を取り上げて眺めた。

「この名前は、カラクリの内容を如実に表しているということだったな?」

「ああ」



「この文字、本当に『あまてらす』『つくよみ』と読むのか?」