恋口の切りかた


 【剣】

円士郎はあきれ返っている様子だった。


あきれられても仕方がない。

十七にもなって、一人で寝るのが怖くて、こんなはしたない真似をするなんて、

自分でもどうかしていると思う。


武家の娘としてあるまじき行為だ。


面目無さと恥ずかしさで顔を上げられなかった。



「仕方ねえ」と、意を決した声がして、恐る恐る円士郎を見ると、


「今回だけだぞ」


障子から月の光が差し込む薄暗がりで、
円士郎は何かが吹っ切れたような表情をしていて、


その顔がにやっとした。

「じゃないと、俺も何するかわからねーからな」

「え……」

私がぎくりとなるような、艶っぽさのある声音だった。


それから円士郎は私の刀も一緒に枕元に置いて、
突っ立っている私の後ろで襖を閉めた。


布団に入って場所を空けてくれて、

ほら、と促されて、

ホッとした途端──


急に、恐怖とは別の緊張感が走って、胸がどきどきし始めてしまった。


「何やってんだ、入れよ」

「うん……」


私は円士郎からできるだけ離れた
布団の端っこに潜り込んだ。