恋口の切りかた

ぎょっとする。

留玖の手には、鞘に納めた刀が握りしめられていた。

「何やってるんだ? 刀なんか持って」

まさか、脅かしたことで怒って夜討ちにきたのか、
などと馬鹿な考えが頭を掠める。

「これは……」

留玖は慌てて、持っていた刀を背中に隠した。

「ここに来る途中でお化けが出たら怖いから……」

「……え?」

ここに来る途中でお化けが出たら──?

その刀で斬るつもりだった、ということだろうか。


あの神崎帯刀みたいな発想だ。


「どうした? 何か用か」

刀を枕元に戻しながら俺が問うと、
留玖は暗がりでうつむき気味になってモゴモゴと何か言った。

「あ? 何だ?」

聞き取れなかった俺は聞き返した。


留玖はますます下を向いて、聞こえるか聞こえないかの声を出した。


「……で……いい……?」

「あァ? 何だって?」






「……ここで……一緒に寝てもいい……?」







俺は思考停止した。