恋口の切りかた

子分たちに声をかけ、死んだのが喜三太だと聞き、

とりあえず、火が消えているのを確認して筵を被せる。

こんなものを役人が来るまで往来のど真ん中にさらしておくわけにもいかないだろう。



しかし、これはまさか──。



白昼、大勢の目撃者の前で人間が燃えた。



俺の脳裏には、一つの事件が蘇る。

おそらく今、この光景を目撃したこの城下の者の脳裏にも同じ記憶がよぎっているだろう。



それは五年前、この城下を震撼させた怪死事件。

俺が先だってに、あの城代家老の屋敷の忌まわしい地下牢で真相を知らされた──



伊羽家の兄弟の連続怪死事件と、全く同じ現象だったのである。



あいつは、兄弟の怪死は自分がやったことだと言ってやがったが……


俺は筵をかけた死体を睨みつける。


どういうことだ、こりゃ──!?



俺にはたった今、目の前で起きた現象が未だに信じられない。

こんなのが……人為的なものだってのか!?



それから、

鬼之介の長屋で聞かされた最近の話と、

そこの殺されたチンピラの仲間たちが
「白輝血」の奴らがどうのと騒いでいたのを思い出した。