恋口の切りかた

「それで、だ」と、遊水は細めた緑石に鬼之介を映した。



「そのバラバラにされた黒焼きの仏さん、
一緒に歯車だの渦巻きバネだの──焼け焦げたカラクリの部品らしきものが見つかってるのさ。

それでまァ、カラクリ鬼之介と呼ばれてる旦那が真っ先に浮かんだってワケで」



「ぬ……濡れ衣だッ!!」


鬼之介は声を荒げた。


「そんなカラクリの部品など──犯人がボクに罪を着せるために置いたモノかもしれんじゃないか!」


鬼之介は青い顔でわなわなと全身を震わせながら、

「そうに違いないッ! こんなのは陰謀だ!
そうだ! ボクは、こういう真似をしそうな者を一人知ってるぞッ」

そんなことを言い出した。


「ほう? どなたで?」

遊水が目つきを鋭くする。


「常日頃から、腑分けの真似事をしているという噂の者だ!
うむ! 間違いないぞッ! そいつならこんな所業もやりかねん!」


──ん?

それって……どこかの誰かさんみたいだが──



自信満々に鬼之介は言い放った。



「佐野鳥英という妖怪絵師だ! 奴の仕業に違いないッ」



『…………』



俺と遊水は思わず顔を引きつらせたのだった。