狙いは真っ直ぐ喉。
命中すれば致命傷だ。

「──な!?」

この攻撃は読めなかったのか、さすがに中は驚愕した様子で

手にした槍を振って小太刀を弾いた。



その隙に──


俺は一足飛びに中の懐に飛び込んで、間合いを詰めている。

慌てて、中は槍の柄の部分を使って棒術の要領で俺を殴りつけようとするが──



──遅い!




中の首筋をぎりぎりかわして突き出した俺の大刀の切っ先が、




背後にあった松の幹に、
中の着物の襟を縫い止めて突き刺さる。



「よし、動くなよ」


大きく目を見開く中の耳元で、俺は鋭く囁いた。


首筋をかすめた刃で薄皮が切れ、中の首から赤い血が一筋流れる。



「おうコラ、説明してもらおうか」


松の木に中を縫い止めて、突き立てた刀の刃をその喉元に向けたまま


俺は、その様子を蔵の中から眺めていた伊羽青文を振り返った。