恋口の切りかた

階段を下りきると、そこにはまた
頑丈そうな錠のついた、大きな観音開きの扉があった。


──何だ?

この厳重さは尋常ではない。



灯火の明かりに照らし出された漆喰塗りの扉に、俺は戦慄が走るのを感じた。



突然、五年前の伊羽家の連続不審死の話を始めたことと言い──


──こいつは、いったい何を見せる気だ?



俺のこの嫌な予感は的中する。



「とくと、ご覧になるがよい」

錠を外し、伊羽が開けたその扉の奥で俺が目にしたもの──

「私はこういう人間だ、結城円士郎殿」




それは──







すえた臭いがした。


頑丈に木を組んで作られた格子の檻が、灯りに照らされ視界に入る。



獣のような

うめき声が、


檻の中から聞こえた。