恋口の切りかた

宗助は、


「しかと心得た」


やはり彼にしては珍しく唇の片端を吊り上げて、



「しかしそうすると、夜中に屋敷を抜け出して辻斬りを斬り殺したという常識を踏み外した非道の行いから始まり、

俺はもう既に何十回も円士郎様を殺して自害しなければならないな」



──うえっ!?


「そうくるかよ……」

「冗談です。
俺もまだ死にたくはないですから」

「…………」


こいつが冗談なんか言うの、初めて聞いたぞ……。

シャレになってねえし。
わ、笑えねー。


ううむ、早まった命令をしちまったか──?

心の中で冷や汗を流しながら、ちょっと後悔する俺。