恋口の切りかた

宮川鬼之介新三郎……ナントカさんは思った以上に重傷だった。


打撲、脱臼、骨折が全身十数カ所。



着ているだけで大怪我する鎧っていったい──!?



こんな危険なシロモノは処分してしまったほうが良いと虹庵が言ったのは、
私と円士郎が必死に止めたけれど。


もったいない!
こんな楽しい発明品を捨てるなんて……!


円士郎もそこは同じ感想のようだった。



「それで? 宗助、お前はあの時どうやって心の一方を解いたんだ?」

屋敷の空き部屋に未だ昏睡している鬼之介を寝かせて、意識が戻るのを待ちながら円士郎が言った。


何のことだろう……?


「仮に解いた状態とか言ってやがったが」


畳が敷かれた八畳ほどの部屋の中には今、円士郎と私、宗助、虹庵がいる。

宗助は黙ったまま、ちらっと虹庵の顔を見やって、


虹庵が微笑んだ。


「彼があの時何かしたのは私とて気づいているよ」

虹庵は円士郎にそう言った。