恋口の切りかた

「──冬馬ッ!!」


突如として割って入った怒喝が、冬馬の動きを止めた。


続けて、

冬馬が殴り飛ばされて雪の上を転がった。



「し、師範代……」

固唾を呑んで目の前の光景を眺めていた門弟の口から、呟きが漏れた。

「虹庵先生……?」

私は、
その場に飛び込んできた虹庵と、
倒れ込んだ冬馬とを
ぼう然と見比べた。


虹庵は自分が殴り倒した冬馬を怒りの表情で見下ろし、

「既に決着がついているにも関わらず相手を斬りつけ、更には戦意を失った者を殺そうとするとは何事かッ!」

と、怒鳴った。


「冬馬様……」

風佳が、口元に手を当てて冬馬を見つめた。


「何の騒ぎですか、これは!」

辺りを見回して虹庵が問い、私はようやく大きく息を吐いた。