恋口の切りかた

冬馬が風佳を見つめて、無言で頷いて



「鏡神流、結城晴蔵の子、冬馬!」

と名乗った。


浅黒い肌の男も冬馬に向かって立つ。

うーん、これまでの流れからすると
次は名人越後でも出てくるんじゃないだろうか、なんて考えていたら……


「我が名は──本田流、本田勢源だ!」


あ、惜しい。
そっちだった。


私は二人の真ん中からやや離れた位置に立ち、静かに手を挙げた。

冬馬を心配する気持ちと、
冬馬が真剣でどんな勝負をするのか、
ぞくぞくするような感覚とで──

胸が高鳴った。


「始め!」